移住者視点からやまなしの魅力を考える

東京では豆粒のような富士山がベランダからみえるだけで「自宅から富士山が望める」と得意げに語るひとがいる。
山梨に移住してすぐ、ベランダから巨大に望める富士山をみて思い出す。
富士の四季がわかるほど解像度が高い。ただそれよりも衝撃的だったのは空の広さで。
移住して4年経つがまだ空の広さだけは慣れず新鮮に感動する。近所の公園を散歩しながら空を眺めるときが一番、東京からやまなしに移住して良かったと感じる。
それはともかく、山梨はいま、移住者が増えています。転入超過らしいです。
コロナ禍で外出自粛中に、家に居ることが多くなり「いまそこに住む意味」をあらためて疑問視する人が増えたからでしょうか。二拠点生活にちょうどいいエリアだからでしょうか。
認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの「地方移住に関するアンケート」によると、2021年移住希望地ランキングで1位は静岡、2位は福岡、3位は山梨だそう。
都心から田舎に移住するなら、人里離れた限界集落に住むより、ある程度生活に適した地方都市を選ぶ人が多いのは納得。静岡市は品川駅まで新幹線で47分ほどでいけるし、甲府市は新宿まで中央道か特急電車で2時間弱でいけます。
キャンプブームも移住者増加に一役かっているでしょうか。
コロナ禍の三密とゆるキャン効果もあいまって、東京から近い山梨のキャンプ場はひとでごった返す日々が続き、富士吉田あたりは現在、新しいキャンプ場が乱立しています。
インバウンドの影響やテントサウナの爆発的な流行もあって、やまなしはコロナ前より活気が溢れている気がします。
わたしは2019年の夏頃、やまなしの昭和町というところに引っ越してきました。
ここで実際住んでみてどうだったか。東京に染まった人間でも山梨で不自由なく暮らせるのか。
住み始めてから4年経ち、住環境や利便性、期待していた以上に良かった点や、想像していたより良くなかった点をまとめました。
住環境について
家賃が安い。2LDKで7万円台(2022年現在)
うちは3階建てマンション角部屋、駐車場2台付き、目の前に富士山が一望でき歩いて3分のところに大きな公園があって7万円台になります。以前住んでいた目黒区だったら駐車場2台分程度の家賃。
安い!と思っていましたがやまなしでともだちができ自宅の家賃を伝えると「高くない?騙されてない?」と驚かれるので、相場はもう少し安いのかも。
学校も多く、公園では子どもたちが少子化?と疑うほど、たくさん遊んでます。
田舎=ヤンキー多いという印象でしたがそんなことはなく、時代もそうなんでしょうけど、ぜんぜん見かけません。
物価は、、どうでしょう。
そこまで東京と変わらないような気がしますが、果物や野菜は若干安いのかな。
シャインマスカットが800円で売られているのをみて驚きました。
利便性について
うちから徒歩圏内に「中央道昭和バス停」という、バスタ新宿まで1時間半ほどでいけるバス停があります。
昭和町に住むことを決めた最も大きな理由。
コンビニは徒歩10分圏内にローソン・ファミマ・セブンあり。24時間営業のスーパー(TRIAL)や成城石井のようなちょい富裕層向けスーパー(PAX)もあります。また田舎あるあるだと思いますが、国道沿いのファミレスとラーメン屋の多さに驚きます。イオンモールも近くにあり、本当にちょっとした買い物や飲食店には困りません。
やまなしは車社会です。はじめはどこに行くにも車なので面倒でしたが、慣れてからはパジャマ(すっぴん)で出かけちゃいます。東京にいるときは1駅先のラーメン屋でもスウェットで行くのは躊躇しましたが。
あと東京もそうですが松本や静岡、富士五湖なども車でさくっといけるのがいいですね。
静岡のさわやかハンバーグを日帰りで食べに行ったり、平日湖畔キャンプして朝帰ってきたり、8時に起きてスキー場に行けたり。
遊び(お酒)について
甲府駅の南口から少し歩いたところに「中心」と県民が呼ぶエリアがあります。
小さな商店街が連なり、キャバクラや風俗、スナックなど夜の街が広がります。
住んでいる昭和町から車で20分ほど。毎回車で中心の方へ出向き帰りは代行で帰ります。
山梨は代行文化です。同じ距離でもなぜかタクシーより安い料金で利用できます。
最近は移住した若い夫婦が経営しているナチュラルワインを提供するイタリアンや、若者が集まる立ち飲み居酒屋なども増え、コロナ禍から徐々に活気を取り戻しつつあります。
ただ、やっぱり飲みは東京の方が楽しいです。
バーで隣になる人の年齢層が高い。そしてだいたいひとりで飲むような人が少ない。
三軒茶屋に下北沢、中目黒などで飲んでるとわりかし同世代の初対面の方とつるむ機会が多いですが、やまなしでは皆無です。
出会いは東京で求めましょう!
遊び(その他)について
登山・キャンプ・スノボーが趣味な人はすぐに移住の準備を始めてください。
ほんとに楽ちんです。
東京から山へ行こうとなると朝4時頃出発して、帰りは中央道の渋滞に巻き込まれる。若い頃はシーズンで10回は行っていたスノボーも面倒くささで徐々に行かなくなり。現在、自宅から最寄りのキャンプ場まで車で約20分!忘れ物があれば取りに帰れるレベル。
登山後に温泉に入って、眠い中だれが家路を運転するかで揉めることもない。
当日おもいたって山にいける気軽さは代えがたい。
ウィンドウショッピングやぶらぶら歩くことが好きな人は楽しくないかもしれません。
チェーン店のラーメン屋やカーショップが並ぶかわりばえしない狭い歩道を歩くより、一本道を逸れれば新しい発見がある都会の方が歩いていて楽しいです。
山梨は暮らしやすいのか
山梨県といっても広く、限界集落のような場所もあれば甲府のように東京とかわらないほど利便性が高い場所もある。
「住めば都」「足るを知る」という言葉もある通り、生活レベルが変わっても慣れることはあるが...。
移住という一大イベント。失敗はしたくない。
家族で移り住むにはとてもいい場所です。
お仕事がどこでもできるノマドワーカーで、東京にまだ未練がある方はちょうどいいかもしれません。笑
アウトドアがすきな方も◎
今後東京へも足繁く通うこともなくなれば、更に山奥の北杜市や四国の方に移住するかもしれませんが、いまはちょうどいい。
そう。ちょうどいい場所です。都心と田舎のあいだ。静寂と喧騒のあいだ。
多様性と文化に触れつつ自然とのつながりを保つ。
もし東京からやまなしへ移住した場合ご一報ください。中心で一杯奢ります。